カリタス小学校 - Elementary School / École primaire

「学校だより」より 校長のことば

◆カリタス大好き! ―登山―第5号/平成24年度11月発行

 私はカリタス小学校が大好きです。理由はいくつもあるのですが、一つは、子どもにとって、 よりよい教育の在り方を探り、改善していこうとする雰囲気が学校全体にいつもある、ということです。 先月行われた5年生の登山を例にあげてみてみましょう。

 10年前、ダイナミックな活動ができる場所を求めて、教員達は実踏を重ね、 妙高国立自然の家に活動場所を定めました。登山は妙高山大谷コースと火打山を考えました。 火打山は標高2462m、きつい山でしたので、全員での登山を目ざすことはできません。 しかし目標を高く持ちトレーニングして臨ませようということになり、それから毎年、 始業前に4㌔の水を入れたリュックをしょって、校庭を走る光景が秋の定番となりました。 例年30名ほどの子ども達が火打山にチャレンジしてきました。

 ただ、日本百名山に数えられるほどの素晴らしい火打山ですが、 子ども達は時間の関係で頂上には登らず七合目付近の高谷池で下山していました。あんなにつらい思いをして登っても、 頂上に立つ醍醐味を味わわせることができない…。 そこで二年前、5年生を担任した教員達は「頂上に立てる山を」ということで新しい山の開拓を考え、 火打山に加え黒姫山に実踏しました。黒姫山もよい山でしたが、頂上が狭いため全員登頂は難しく、 また高谷池までとはいえ火打山も捨て難く、結局、黒姫を加えた3コースから選んで登山しました。

 翌年の5年の教員達は、子どもの中に火打山登山の希望者が多い現状を見て「全員を登らせたい」と考えます。 そこで全員登れるものかどうか、年齢の高い自分たち(平均年齢50歳を優に越える)で登ってみよう、となりました。 それまで火打山の登山といえば、健脚の男性教員が引率する場合が多く、ベテラン女性教員は登ることが少なかったのです。 腰痛と闘いながら雨降る悪天候の中の登山となりました。その結果、かなりきつい登山であることを実感し、 全員で登ることは諦めましたが、希望する子どもには全員チャレンジさせたいとのことで、 引率態勢を充実させ、56名の子どもが火打山に登りました。

高谷池から見た火打山頂
高谷池から見た火打山頂

 そして今年の5年生。「火打山の頂上に立たせたい」との願いはいっそう募り、 また高谷池まで登っても30分で下山してしまうのは勿体ないと感じ「高谷池ヒュッテ1泊、翌朝頂上アタック」を計画しました。 実踏は7月末、山小屋に宿泊し火打・黒姫登頂、源流探険、国語の説明文学習の「ブナ林」実踏など、五日間に及び、 山小屋宿泊を入れた3コースを整えました。

 こうして10月、火打山コースの子ども達は、山小屋に初めて泊まり、山頂に初めて立つことができたのです。 紅葉が大変見事でした。私も火打山登山に引率しましたが、山から宿舎に戻ると、他コースの子ども達も武勇伝を次々に語ってくれ、 いずれのコースも充実した登山であったことがわかりました。

 このように「子どもにとってよりよい活動とは何か」を常に求めていく本校の教員たちの姿勢を、私はとても誇らしく思います。